幸せの構図

いつもそうなのだが五一ワインの酔い方は危険だ。あまりの美味しさについついペース配分を忘れてしまう。酔いも心地よく、座ったままでは感知しにくい。トイレに立った時にようやく酔いを自覚したりする。

その酔いに簡単にノックアウトされて熟睡してしまった意識の遠くで彼女の声が聞こえた。

「ひろし君、起きて。もうすぐ6時だよ」

ハダカの彼女が私の胸の中にいた。心地いい暖かさ、柔らかさ。大好きな彼女の匂い。目をあけるのがイヤだった。