夜になってようやく雨があがった。
夕飯は久々に手の込んだ料理を彼女が時間をかけて作ってくれた。夕飯をすませて彼女のコーヒーをすすっていると、彼女がデッキに立って暗闇を見つめているのに気が付いた。私もタバコの火を消して雨上がりのデッキに出た。

「りつこ、どうした?」

「うん、もうすぐ長野ともお別れだなと思ってさ」

「そうだな、俺も掃除しながら感慨深げだったよ」

「だよね、なんか。。。ね」

「りつこのおかげで本当に楽しかったよ」

「ひろし君、いろんな私を知ることができて何か変わった?」

「そうだなぁ、好きって気持ちに変化はなかったよ」

「ええええ、なんにも変わんないの?」

「あはは、好きって気持ちは変わらなかったけど、より深い愛情をりつこに持つことができて良かったよ」

「・・・・」