幸せの構図

ソファーでくつろぐ私にコーヒーを煎れてくれた。いつものように美味しいコーヒーだった。

彼女が隣に座った。

「ねえ、昨日は後藤さんに逢えて本当によかったね」

「うん、今度お前も後藤さんに会ってもらうからね。そう言ってきた」

「ありがと、嬉しいな。積もる話しで時間足りなかったでしょ」

「そうなんだよ、でもそれなりに沢山お話しできたよ」

「そっか、どんな話しをしてきたの?」

「友達が今どうしてるか、とか。俺はお前とのこととか、秋田での暮らしとか、だな」

「思い出話しとかも沢山した?」

「そういう時間も欲しかったなぁ」

「じゃ、代わりに私が聞いてあげるよ。お話ししたいんでしょ」

「あはは、お前も聞きたいんだろ」

私はソファーに深く腰を入れてタバコに火をつけた。
雨の音と薪が燃える音。静かな時間が流れていた。