幸せの構図

私はその時、夢を見た。具体的なシーンはどうしても思い出せなかったが、何か猛烈な焦りとでも表現したらいいのだろうか、とにかく辛い夢だったのは間違いなかった。

遠くで彼女が私を呼ぶ声が聞こえ、夢と現実の境をさまよいながら、夢であったと安心しながら目をあけた。
そこに心配そうに私の顔を見つめる彼女がいた。私は大量の汗もかいていた。

「なんだか珍しく唸ってるからさ、心配しちゃったよ。疲れてたんだね」

「りつこ、ありがとう」

私は力なく目の前で私をうかがう彼女を抱き寄せた。

「ひろし君・・・疲れてるんじゃないの?」

「おかげさまで目が覚めた♪」

「カラダも目覚めちゃったみたいだね」