幸せの構図

秋田と違って山合の日暮れは早い。夕方の5時をすぎればもはや夕闇というよりは「夜」だった。

コテージにともる灯りが心をなごませた。玄関のドアを開けると彼女が暖かい笑顔でそこに立っていた。りくちんも既に待機していて、私の足下でゴロゴロと甘えていた。

「おかえり、ひろし君」

「ただいま」

「後藤さんに逢えてよかったね」

彼女の笑顔は本当に自分のことのように喜んでいる笑顔そのものだった。私は彼女を抱き寄せた。彼女は私の胸にしがみついてきた。