ー翌朝ー

いつものように翔と二人で登校して、教室に入ると

「梨華ちゃん!どうしよう?もし、蓮が転校生に惚れたりしたら…」

「大丈夫よ。蓮くん、凛ちゃんにベタ惚れだから」

すごく心配そうにしてる凛ちゃんといつもと同じ大人っぽい梨華ちゃんがなにか話し合っていた

「おはよう、凛ちゃん、梨華ちゃん」

私はいつものように挨拶した

「あ、おはよう。雪菜ちゃん、翔くん」

「お、おはよう。雪菜、翔くん」

梨華ちゃんはいつも通りだけど凛ちゃんは泣きそうな声だった

「凛ちゃん、どうしたの?何かあった?」

いつも明るい凛ちゃんが泣きそうになるってあまりないから深刻なのかな?

「雪菜〜、どうしよう?転校生に蓮をとられたら、私、生きていけないよ…」

…え?

転校生に蓮くんをとられる?

「えっと、つまり…」

「凛ちゃんは今日来る転校生に蓮くんが好きになるかもって思ってるの。でも、今までの蓮くん見てたら凛ちゃん以外の女子に優しくしたことないから大丈夫だと思うけど」

梨華ちゃんが説明してくれた

「なるほど。でも、心配なら休み時間に蓮くんの教室見に行こ?転校生も見てみたいし」

蓮くんの様子見たらきっと凛ちゃんも安心すると思う

そう思って提案した

「うん。その方が凛ちゃんも安心でしょ?」

梨華ちゃんが凛ちゃんに聞くと

「うん。そうだね。そうする」

凛ちゃんもうなずき返した

すると突然

「なになに?転校生見に行くの?じゃあ、俺も行く」

優斗くんが話しに入ってきた

「え?なんで優斗くんも行くの?」

梨華ちゃんが驚いて聞くと

「だって気になるし、蓮の事も友達として心配だしね」

優斗くんは笑顔で言った

心配している顔には見えないけど、ま、いっか

「翔も行くだろ?」

優斗くんが翔に話を振った

「…別に一緒にいってもいいけど」

翔はあまり転校生には興味ないみたいだった

「よし、じゃあ休み時間に見に行くってことで」

優斗くんはそう言って席に戻っていった

こうして5人で見に行くことになった