【雪菜said】

……ん………

あれ?なんか手に温もりを感じる

でも暗闇で誰だか分からない

「雪菜、目を覚ましてくれ」

翔くんの声だ!

私はその声で目を開けた

「…翔くん?」

「雪菜!?大丈夫か!?」

翔くんが驚いた顔をしながら聞いていた

「うん、大丈夫。ちょっと疲れただけ」

なんとか明るく言った

「雪菜、なんであんな沖まで行ったの?」

凛ちゃんがちょっと怒り気味に言った

「…それが…私にも分からなくて。岩に向かっていたはずなのに気がついたら沖にいたの」

それを聞いた翔くんは何か考え込んだあと

「お前、もしかして岩の場所確認しないで泳いでんたんじゃないよな?」

岩の…場所?

「…どう言うこと?」

「だから泳いでいるときに岩の場所を確認しないで自分の思い込みで泳いでないよな?って言ってんの」

そう言えば…

翔くんのために一位になろうと必死で岩の事忘れてたかも…

「……岩の確認というか、途中から岩の事忘れてたかもしれない」

私の答えに一瞬静かになった

え?なんか変なこと言った?

不思議に思ってると

「岩の事忘れるって雪菜ちゃん、それ重症だよ」

心配な顔をして言う優斗くん

「雪菜の方向音痴はなおらないね」

呆れながら言う凛ちゃん

「まぁ、雪菜ちゃんのそういうところが私は好きだけど」

笑顔で言う梨華ちゃん

「雪菜ちゃんって憎めそうで憎めないよね」

なんかよく分からないこと言っている蓮くん

「雪菜、外見は変わったけど中身は全く変わってねーな」

笑いながら言う翔くん

これって絶対私バカにされてるよね

「もー!みんなして私をバカにしないでよー!」

私の叫びにみんなは笑った

こうしてトラブルだらけの1日目は終了した