─体育祭当日─

「雪菜、梨華ちゃん、いよいよ体育祭だね‼」

凛ちゃんが私と梨華ちゃんに後ろから抱きついた

「分かったから離れて凛ちゃん。暑苦しいー」

梨華ちゃんがもがきながら凛ちゃんに言った

「あ、ごめんごめん。とても楽しみだったからつい…」

凛ちゃん練習の時から楽しみにしてたもんね

私がそんなこと思っていると

「雪菜、はちまきは?まだしてないけど」

はちまき?はっ!しまった忘れたー!どうしよう…

はちまきを忘れたことに動揺していると

「雪菜、これ」

翔くんが後ろから現れて私にはちまきを渡した

「え、これ…」

「朝出て行くとき忘れたただろ?ったく昔からお前は忘れ物が多いからほんと世話が焼ける」

「ごめんね。ありがとう」

翔くん、私がはちまきを忘れたのを知って持ってきてくれたんだ

翔くんは急に優しくなったりするから戸惑うんだよね

翔くんからはちまきを受け取り私ははちまきを着けた

すると

『次の種目は色別対抗リレーです。選手の皆さんは入場門に集合してください。』

とアナウンスがなった

「あ、私だ!じゃ行ってくるね‼」

凛ちゃんは笑顔で手を振って入場門へ走って行った

「翔くんも選手だよね?いかないの?」

私が尋ねると

「あぁ、行く」

そう言って私とすれ違うときに

「ちゃんと俺の走り見てろよ」

小声でそう言って入場門へ向かっていった

どういう意味だろう?さっきの言葉

『ちゃんと俺の走り見てろよ』ってクラスの応援するんだから見るに決まってるのに

翔くんはたまに意味分からない発言するから困るんだよね

そんなこと思ってると

「雪菜ちゃん、そろそろ始まるから応援しよ」

梨華ちゃんが笑顔で言った

「うん!」

私は返事して応援するために一番選手が見えるところを探した

「あ!ここならよく見えるよ」

すると梨華ちゃんがいいところを見つけてくれた

「本当だよく見える」

なんとかスタートする前にいい場所を見つけた

私の組の色は白

「位置について」

「よーい」

パン!

スタートの合図が鳴り

選手が一斉にスタートした

色別対抗リレーは2年の代表が先に走り、次に1年、3年の順番に走る

2年の代表はいいスタートをきって3位で凛ちゃんにバトンを渡した

「凛ちゃん頑張ってー!」

私は大声でエールを送った

すると凛ちゃんは笑顔で答えてどんどんスピードを上げて2位で翔くんにバトンを渡した

すると

すごいスピードで1位の選手を抜かした

「なにあの1年!」

「めちゃくちゃ早いじゃん!」

「すごーいかっこいい‼」

いろんな人が翔くんの早さに歓声をあげていた

すごい翔くん!こんなに早いんだ。

翔くんの走る姿をみていたら

ドキッ

…え?

なぜかまた胸が高鳴った

なに?この感情

そんなこと考えているうちに翔くんは次の人にバトンを渡していた

その後も1位をキープしていて

結果白組は1位でゴールした