「梨華ちゃん!お昼食べる子一人増えたよー!」

凛ちゃんが元気よく言った

「そう。で誰なの?」

いつものように梨華ちゃんが言うと

凛ちゃんの後ろから翔くんが顔を出した

すると

「…は?」

梨華ちゃんがちょっと怒こったように言った

そして

「凛ちゃん!あなた何考えてるの!?なんでこの男を連れてくるのよ‼もしこれで雪菜ちゃんに何かあったらどうするの?」

梨華ちゃんが珍しく取り乱した

「ちょっと落ち着いて梨華ちゃん。桐ヶ谷くんは雪菜の知り合いみたいだから問題ないって」

凛ちゃんがそう言うと

「雪菜ちゃんの知り合い?それほんと?」

梨華ちゃんが私に聞いてきた

「知り合いというか幼なじみらしいの」

私が二人にそう言うと

「らしいって…あ、そっか」

梨華ちゃんは納得したように言った

なんかよく分かんないけど梨華ちゃんの翔くんへの警戒は解けたみたいです

その後私たちは4人でご飯を食べた

「ねぇ、雪菜。誰に聞いたの?幼馴染みって」

凛ちゃんが不思議そうに聞いてきた

「冬花とお母さんから。翔くんもそう言ってるし私の昔からの性格も知ってたから多分本当だと思う」

私がそう言うと

「じゃあ、桐ヶ谷くんって子ども頃どんなだったの?やっぱりイケメンだった?」

凛ちゃんは興味津々に聞いてきた

「どうだったって言われても事故より前の記憶がないから分からないんだよね」

私は困り顔で言った

「ちょっと凛ちゃん!今の発言はしちゃダメだよ‼」

梨華ちゃんが小声で凛ちゃんに言った

「あ…ごめん。嫌なこと思い出させちゃって」

凛ちゃんが申し訳ない顔して言った

「大丈夫だよ。終わったことだし、気にしてないから」

いつまでもくよくよしてられないし

そう思っていたら

「…今のどういうこと?」

今まで黙っていた翔くんがいつもより低い声で言った

「どういうことってだから事故のことはもう気にしてないってことで─」

「俺が聞いてんのはそんな事じゃなくてなんで事故より前の記憶がないのか聞いてんだよ‼」

私が言い終わらない内に翔くんが怒りMAXで怒鳴った

「そ、それは…」

ど、どうしよう…事故のショックとなにか私には分からないけどもうひとつのショックで記憶をなくしたって聞いてるけどうまく説明が出来ない。でも、答えないと誤解されるし…

私がどうしようか考えていると

「……もういい」

そう言って翔くんは屋上から出ていってしまった

「ま、待って‼翔くん‼」

私は叫んだけど翔くんは振り返ず行ってしまった

「桐ヶ谷くんも怒るんだね…」

梨華ちゃんが驚いた様子で言った

凛ちゃんは驚きすぎて固まっているみたい

どうしよう…私、翔くんに嫌われたかな

「うぅ……」

そう思ったらなぜか涙が止まらなくて泣き出してしまった

「大丈夫だよ。私たちがいるから」

「そうだよ!私はいつでも雪菜の味方だからね」

梨華ちゃんと凛ちゃんが私を慰めてくれた

なかなか涙が止まらないので落ち着くまで屋上にいるって二人に言って私は午後の授業中屋上にいることにした