二人だけの約束

「あ!これ文化祭の時だ。3年の時は確か舞台やったよね。眠り姫だったっけ?」

凛ちゃんが思い出しながら言った

「そう言えば、そうだったね。眠り姫と王子さまは全員一致で翔くんと雪菜ちゃんに決まったよね」

そうだった。裏方やろうとしたら推薦で眠り姫をやることになったんだよね。劇なんてほとんど経験ないからどうなるかと思ったけど翔が何回も練習につきあってくれたから本番はなんとか成功したんだよね

「そうそう。翔が雪菜ちゃんにキスするシーンはもう観客から歓声が上がってたもんな」

正確にはキスした振りだけどね

「あ、それから美男美女のシチュエーション告白は3年連続翔くんと雪菜ちゃんだったね」

「あー。あの企画はまさに地獄だった。最初はよかったけど何回もやられるとさすがに飽きる。なんで何回も人前で告白しなきゃいけねえんだよ」

「そうだね。一回ならまだしも三回もしなくちゃいけなかったもんね。しかもシチュエーションが違うからまた新しい告白しなきゃいけなかったしね」

もうあれは私にとっては黒歴史だったね

「でも、おかげで盛り上がったじゃん。それになんだかんだ言って結局逃げずにやってたし。嫌なようには見えなかったけど?」

優斗くんが笑顔でそう言った

「俺はなるべく早く終わらせかっただけだ」

翔は少しイライラしたようだった

「まあまあ。でも、いい思い出になったよね。売り上げは毎年私たちのクラスが一位だったしね」

「確かに。やっぱり翔くんと雪菜ちゃんが接客や主人公とかしてくれたのと凛ちゃんと小春ちゃんが呼び込みしてくれたおかげかな?」

凛ちゃんと梨華ちゃんが懐かしむように言った

みんな覚えている?翔の従兄弟の小春ちゃん

今は海外に住んでいてモデル活動しているみたいです