二人だけの約束

『ごちそうさまでした!』

しばらくして食事は無事終わった

翔の予想通り料理が余ってしまったのでそれぞれ3つに分け凛ちゃんと梨華ちゃんと私の家で分けて持ち帰ることになった

「よし!じゃあ、思い出話しようぜ」

「うん!雪菜、卒アル持ってきて」

「あ、分かった」

卒アルを持ってこようとすると

「卒アル持ってきたぞ」

翔が卒アルを持ってきながらリビングに戻ってきた

あれ?いつの間に?もしかしてトイレに言ったついでに持ってきてくれたのかな

でも、これで私が行く必要はなくなったよね

そして私たちは卒アルを開いた

えっと確か私たちは3年4組だったから…

あ、ここだ

私はクラス一人一人の写真が乗ってるページを開いた

「あ、これ優斗くんだよね。このときまだ髪の毛茶色だったから今と印象違うよね」

そう優斗くんは市原の会社を継ぐために髪をわざわざ黒に染めていたのです

「あ、梨華ちゃんだ。やっぱり梨華ちゃんは昔も今も大人っぽいな」

「今はもう大人だけどね」

私たちと同い年なのに同い年とは思えないほど大人っぽかったもんね

今もみんなより少し上みたいな感じかするしね

「あ、これ凛ちゃんだ。なんかこの凛ちゃん今より幼く見えるね」

このときは身体を動かすことが好きで運動も得意だったから3年連続でリレー選手に選ばれてたもんね。

確か翔もそうだった気がするけど

「あ、これ蓮くんだ。今と変わらず爽やかな笑顔だね」

蓮くんは雰囲気も笑顔も爽やかだったから学校では

“爽やかイケメン”って呼ばれてたもんね

まあ、凛ちゃんがいたから告白はあまりされなかったみたいだけど

「あ、雪菜だ。やっぱりかわいいよね!私が男だったら絶対好きになってたよ」

凛ちゃん、目大丈夫かな?

私はそんなにかわいくない

確かにこの頃は翔に相応しくあろうとメイクとかヘアアレンジとか頑張っていたけど翔に相応しかったかは分からない

翔は特にリアクションしてくれなかったし

“かわいい”とも“似合ってる”ともいってくれなかったから

実際どう思ってたんだろう?