麗子ママの上品で優雅なおもてなしを味わう中で、
城之内は、苦手から稀脱し、
此処も悪くない と、感じる。



そんな 心地良い流れのなか、
喬子が、城之内のテーブルへとやって来た。

覚えの無い御名前の御方からの御指名に
不思議に考えながら歩み寄った喬子だが、
城之内を見た瞬間に 見覚えのある御方に
喬子は、
歓喜と驚きが入り交じった表情になった。


「い、いらっしゃいませ♪喬子です。
御指名いただき、有難うございます♪」

「なんて顔をしてるんだ」

城之内が、豪快に笑う。

「すみません」

透かさず、麗子ママが城之内に申し訳なさを示す。


「いやいや、まぁ~無理もない。
さっ、座って」

「はいっ、失礼します」



喬子は、城之内の隣に上品に腰を下ろし、
城之内は、喬子が命の恩人の理由を
麗子ママに聞かせた。


麗子ママは 話を聞きながら、
見ず知らずの御方の突然の事に 薬があるのでは?と機転が利いた喬子に 感嘆した。


あの後、
病院へ行き 事なきを得たことを聞き、
喬子は、安堵しながら
その後にタクシー運転手に御店を聞いたのだと知る。




この 予期せぬ初御来店初御指名に、
自分の人生を自分で創っていく!と意気込んでいた喬子は、
人生の不思議さを実感した。




“こんな 嬉しいハプニング…

人生、何が起こるかわからないから、

面白い ということか…”