HARUKA~恋~



「阿部遥奏」  

「…」





今日もいないのか…

今年の後ろの席も去年に匹敵するくらいの問題児か…


私は毎日肩を落としていた。


一難去ってまた一難。
いつになったら穏やかな気分で高校生活を送れるのだろうと、口を開けばため息ばかりが出ていた。







―――――そして、最悪の事態が起きた。






それはクラスで委員会を決めた時のこと。

私は相変わらず1人で行動していたので、何の委員会に入ろうが別に構わなかった。
それなりに活動し、適度に手を抜けるなら何でも良いと本気で思っていた。

「女子から先に決めて良いよー」と、ここぞとばかりにレディファーストを実践してくる新米担任を不快に思いながら、私は気だるそうに黒板にネームプレートを貼った。

そんな態度をとっていたからだろう、バチが当たった。


なんと、後ろの席の男と2人、保健委員会になってしまったのだ。

私は一気に血の気が引いて、「私こそ学校に来たくないよ」と嘆きたくなった。




案の定、翌日から私1人に全部の仕事がのしかかって来た。

手洗いチェックに朝食チェック、健康記録簿の記入、シャボネットの補充など1人で全て行った。

先生も私の頑張りはそれなりに認めているらしく、時には手伝ってくれたりもした。






まあ、それも自分の思い通りに私を動かすための策略の一つだったのだけれど…