HARUKA～恋～

夜。

私はなかなか寝付けなかった。

理由は分からない。
ただなんとなく胸騒ぎがして、目を閉じても夢の中に落ちていかないんだ。

隣でスヤスヤと心地良い寝息を立てて瑠衣ちゃんは眠っている。


あの後、宿舎に戻ってきた私たちは空いてしまった１時間を自室で過ごすことになった。

トランプやウノをやって楽しんでいる時にノックが鳴った。
運良く、いや運悪く？瑠衣ちゃんが出ると宙太くんがいた。

瑠衣ちゃんは私に着いてきてほしいと言い、ロビーに向かった。

そこで彼女ははっきりと宣言したんだ。


「あたしは好きな人と絶対一緒になる。だから宙太くんとは付き合えない」


私は潔い断り方に惚れ惚れしてしまった。

大変可哀想だが、宙太くんにはきれいサッパリ諦めて貰うしかなくなった。


「アオハル～」と言って突進して来たので、私は昼間思ったことを口にした。
そしたら泣き出してしまって、ロビーにいた宿舎のオーナーにぎろりと睨まれた。

そんな彼には見向きもせず、瑠衣ちゃんはスッキリした様子で、終始笑顔でその場を後にした。

中立の立場の私は何とも言えないドロドロとした感情が心の中をグルグル回って辛い。

それも原因で眠れないのかもしれない。




でても良いかな…




少しの罪悪感を感じながらも私は部屋を出た。