HARUKA~恋~

翌朝。

3日目ということもあり、大分皆も疲れてきていた。

昨日のラジオ体操では勢い余って私に腕をぶつけて来た彼女も今日は大人しい。
声は出しているけれど、なんだか覇気がない。

ということは、当然彼も…と思って斜め後ろを見てみると、バッチリ目があってしまった。


「アオハル、よそ見すんなよ」


小声でそう言われ、私は慌てて顔を前に向けた。


「1、2、3、4」

「ごー、ろく、しち、は~ち」

「もっと声出せ!!今日はいかだ造りだぞ!!」


この人はさすが体育教師。

息を切らすことも、掛け声を手を抜くことも無く力強い、しなやかなラジオ体操を続けている。

それが逆に憎たらしい。
見ていてイライラして来る。


心穏やかにするはずのラジオ体操はイライラ体操に様変わりしてしまったのだった。