『琴葉さん、手間はかけるだろうが、わしの家族を頼んだよ』

『少なくともここにいる間はお前は俺たちの家族だ』

…違う。家族みたい、じゃなくて家族なんだ。

ここにいる人たちは血の繋がりなんか関係なくて、むしろそれ以上の絆がある。

今さらだけど、源之助さんと季龍さんの言っていたことがわかった気がする。

この人たちはみんな、私を家族として迎えてくれてる。それが今ならはっきりわかる気がした。

「かーなたー?何やってんだよ。お待ちかねの琴音ちゃんだぞ?」

「俺はあとでゆっくり…」

「なんだ?照れくせぇのか?かわいい奴め」

飛び込んできた名前にはっとして視線を向けると、2、3人に囲まれた奏多さんの姿があった。

気づけば駆け寄っていて、背後からその体に抱きついた。