「うるせぇぞ。お前ら」

「若と信洋、森末だけずりぃぞ」

「そうだそうだ!」

「琴音ちゃんの手料理食えると思ったらなぁ、くぅ~っ」

季龍さんが注意してもなんのその。

大騒ぎの組員さんたちは静まる気配なんかなくて、賑やかなその様子にまた笑ってしまった。

「ただいまさーんっと…。あ、ここちゃん、ただいまって言った?」

続いて入ってきた信洋さんは、大騒ぎの組員さんたちを見て笑って、私に視線を戻してくる。

そういえばまだちゃんと言ってなかったや。でも、私がただいまって言うの、なんかおかしいような…。

「琴音、言ってやれ」

季龍さんに促されて組員さんたちを見ると、目をキラキラさせていて、ちょっぴり眩しい。

「…た、ただいま、戻りました…?」

「おかえり!」

「なんだぁ、固っ苦しい」

「琴音ちゃん、これからもよろしくな」

いろんな声が返ってくる。その声は温かくて、聞いているだけで安心する。

まるで、本当の家族に出迎えられたみたいに。