さっきまでとは違い雰囲気は和んだけど、違う意味で心臓が高鳴る。

肩に回されたままの腕に引き寄せられて季龍さんにもたれ掛かっているような格好。

誰もなにも言わないけど、けっこう恥ずかしい。

軽くうつむいて季龍さんと視線が重ならないようにしていると、頭を撫でられた。

「寝てろ。ついたら起こす」

「…」

季龍さん、機嫌直ったのかな…?チラッと視線を向けると、すぐに視線が重なって体が固まる。

でも、フッと笑ったような気配がすると、まるで泣いている子どもをあやすように背を撫でられる。

眠くないのに、むしろ目が冴えてしまいそうなのに。

きつく目を閉じると、頭を撫でられて肩になにかがかけられた。

眠くないのに…って思っていたはずなのに、だんだんと体がぽかぽかして頭がボーッとする。

季龍さんにもたれて寝るなんて、みっともないのになぁ…。