「心配するな。襲わねぇよ」 「ビクッ」 「妹にこれだけお膳立てされちゃ、やる気も削がれんだろ」 そ、そういうものなんだ。 ホッと息を吐く。だけど、それを裏切るように布団に押し倒される。 起き上がる前に押さえつけられ、今度こそ逃げ出せなくなってしまった。 「き…りゅ、さん?」 「大人しくしてろ」 「…」 近づいてくる季龍さんに、嫌な汗が吹き出してくるのを感じる。 「琴音」 視界が歪む。季龍さんの、顔が滲んでいく。