「でもお兄ちゃんだもんなぁ…。私は来る方に1票!」

「…うーん、来れないと思う…よ?」

梨々香ちゃんはきょとんとした顔をした後、ニヤリと笑う。その笑い方は何かをたくらむ様が目に見えていて、さながら悪役のようだ。

「ふふーんっことねぇ分かってないなぁ。こんな程度の雪でお兄ちゃんの恋心を止められると思って!?」

「!?」

ビシッと鼻先を指差され、思わず後退り。

って、恋心?

「り、梨々香ちゃん?絶対ここ、通行止め…」

「お兄ちゃんを止められるものなんかあるわけないじゃん!」

「いやいや、止められるよ!?」

梨々香ちゃんは季龍さんをなんだと思ってるんだろう。いくら季龍さんといえど、道路が封鎖されてたら入れないよ…。

それでも、絶対来るという梨々香ちゃんにやんわりと無理だと言っていると、また悪い笑みを浮かべた。

「お兄ちゃんが来たら、ことねぇ1日私のいうこと何でも聞いてね!いい?な・ん・で・も!だからね!!」

「う、うん…」

それくらいの約束ならしてもいいかな…。

絶対来れないはずだから…。