「っ襲撃です!!」

ッバンと大きく音を立てたドアから光が差し込む。

目が眩んでなにも見えなくなる。それでも、消えた圧迫感に助かったのだと安堵した。

「襲撃?っは、ありえねぇよ。この場所が分かる奴なんかいるわけ…。っまさか!」

片目の眼光に射ぬかれ、息が詰まる。

逃げ出すより早く服を捕まれてしまう。何かを探るように動いた手は、やがて何かをつかんで離れる。

小さな箱形の何かだった。それを見た瞬間、怒りに染まった瞳はそれを床に叩きつけ、踏み潰した。

「っくそ!!なめやがってあのくそ野郎!!」

何かは分からない。だけど、それが襲撃に繋がった決定打だったらしい。

既に機能していないそれを粉々にするかのように踏みつけていた彼の視線が不意に向けられる。

先程の怒りが嘘のように静ったその目に、恐怖以外の何も感じられなかった。