「…はぁはぁ」

息の音が響く。暗い、暗い、部屋の中。…ここは、部屋…なんだっけ…。

もう何日経っているのかも分からない。もう、それくらい太陽を見ていない。

苦しい、喉が、頭が痛い、体が重い、熱い…寒い…。

自分のことなのに、分からなくなりそう…。

意識が落ちかけた時、響いた足音に意識は覚醒する。途端に震え出した体は止まることを知らない。

嫌だ…嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…。

もう、これ以上ケガサナイデ…。

開いたドアからこぼれた僅かな光は一瞬で消える。そこに立つ人影から視線すら逸らせない。

「っはぁ、はぁ…」

「今日のクスリはどうだ、あぁ?てめぇには、強力なやつをいくらやっても足りねぇよなぁ?」

バラバラと床に何かが散らばっていく。その音が近いことに気づいて動こうとしても痛みが走るだけ。

次の瞬間、襲われた首の圧迫感に捕まったことを悟った。

「やだ、やだ…」

「…壊れろよ。助けなんか来ねぇよ。好きなだけ苦しめ。ぶっ壊れて、俺のオモチャになったら、返してやるよ」

「っやだぁぁあああ!!!!!」