「っすぐに戻ってください!襲撃されてます!!」
「っな…」
「はぁ!?どこだ」
「分かりませんっとにかく早く!!」
襲撃…?一瞬で緊迫した空気に包まれるのに、頭はぼんやりしたまま。
嘘だと心のどこかで否定する自分がいる。
知らせを運んできた人を見る。…彼の口角がわずかに上がったような気がした。
「平沢、暁、琴音と梨々香を守れ。青海、信洋戻るぞ!」
「承知」
「ここちゃん、お嬢、大人しくしててよ?」
普段の様子など微塵も感じさせない鋭い雰囲気を纏う季龍さんたち。
一切振り返らず去って行こうとする季龍さんに、ようやく我にかえる。
誰かの手が伸ばされる前に駆け出し、季龍さんの背中に抱きついた。


