こ、こんなときは…。
恐る恐る季龍さんの手に触れる。そのままそっと握ってみると、強く握り返された。
「ッチ」
舌打ちをしながらも、繋いだ手は離れないまま。
いいのかな?そっと繋いだ手の力を込めると、少しだけ力が緩んで痛みはなくなった。
「あ、ことねぇいた!」
「ッゲ…」
思わず顔をしかめたのは、かごいっぱいに入ったクリスマスグッズが目に入ったから。
季龍さんの表情も歪んで、梨々香ちゃんが買い込もうとしているものを睨んでいた。
「梨々香、んなにいらねぇだろ」
「だってかわいいのいっぱいあるんだもん!久しぶりに来たんだからいいでしょ?」
「…」
季龍さんはしばらく黙っていたけど、結局ため息をついて信洋さんと暁くんに会計を済ませに行かせる。
遠目に見ていたけど、お会計が10000円近かったのは何となく見えた気がした…。


