私のご主人様Ⅳ


こ、こんなときは…。

恐る恐る季龍さんの手に触れる。そのままそっと握ってみると、強く握り返された。

「ッチ」

舌打ちをしながらも、繋いだ手は離れないまま。

いいのかな?そっと繋いだ手の力を込めると、少しだけ力が緩んで痛みはなくなった。

「あ、ことねぇいた!」

「ッゲ…」

思わず顔をしかめたのは、かごいっぱいに入ったクリスマスグッズが目に入ったから。

季龍さんの表情も歪んで、梨々香ちゃんが買い込もうとしているものを睨んでいた。

「梨々香、んなにいらねぇだろ」

「だってかわいいのいっぱいあるんだもん!久しぶりに来たんだからいいでしょ?」

「…」

季龍さんはしばらく黙っていたけど、結局ため息をついて信洋さんと暁くんに会計を済ませに行かせる。

遠目に見ていたけど、お会計が10000円近かったのは何となく見えた気がした…。