「ことねぇ聞いてる?」
「…ごめんなさい」
「謝んなくていいよ!ねぇ、どれがいいかなぁ?ことねぇはどれが好き?」
少し飛んでいたようで、目の前にたくさん並ぶクリスマス関連の商品に目を移す。
こんなに種類あるんだなぁ。恐るべし100円ショップ…。
大興奮の梨々香ちゃんを見守りながら目を移していると、不意に隣に誰かが並ぶ。
「着物?っへぇ、変わってんなぁ」
「てか着物にクリスマスって合わなくね?」
視線を向けると、知らない人が2人。なんだ、他のお客さんか。
興味をなくして商品に目を戻す。あ、このカップかわいいかも…。
「ねぇ、一緒に遊ばねぇ?」
カップに伸ばした手が横から伸びた手に捕まる。視線を向けると、隣に並んできた人で、何となくチャラい…。
って、遊ぶってバカなのかなこの人たち…。
呆れた目で見ていると、引き寄せられそうになってその場で踏ん張った。
「なんだよ、ちょっと遊ぶだけだろ?」
「だよなー。なぁ、遊ぼうぜ」
この人たちめんどくさい!!更に引っ張ってくる人たちを見つめる。


