「選ばねぇなら、食い尽くしてやる」

「ッビク」

季龍さん、本気だ。

鋭い眼光を宿す季龍さんの目は、冗談だと言って終わらせてくれる気配もない。

で、でもそんなの選べないよ…。

きつく目を閉じると、動き出した季龍さんの手に体が跳ねる。

「っは…ん」

「…琴音」

頭がふわふわする…。

恥ずかしいのに、嫌じゃないって思ってる心がいる。このままなにも言わなかったらどうなっちゃうんだろうって、期待するような心もいる。

でも、それ以上にやっぱり怖いよ…。

恐る恐る目を開けると、ギラギラとした眼光で射ぬかれる。それでも、服を脱がそうとしてた手は止まって、返事を待ってくれているような気がした。

「…さ、触る、だけに、してくだ…さい」

何とか口に出したものの、まるで自分からお願いしているような気持ちになって、いたたまれなくなる。

どぎまぎしていると服を脱がそうとしていた手は離れて頬を撫でられる。