入社式の二年前、私は天野 穂乃果という名前で漫画家をやっていた。小さい頃から漫画コンクールに投稿していた。その時はただ、漫画を描いていることが楽しくてしょうがなかった。
中学生の時、私は本気で漫画家の道を歩み始めた。親から反対され、先生からも友達からも反対された。それでも私はこれを仕事にしたい。自分の漫画を世の中に広めたい。その一心で漫画を描き続けた。

大学生の時にコンクールで入賞が決まってデビューすることが決まった。でも、そこからが大変だった。なかなか売れないし、人気も出ない。しかも編集者からは細かい指摘をよく受けた。
それでも描き続けたかった。いつか人気になる。そう信じていた。でもダメだった。いくら、描いても結果は同じ。才能が伸びなかった。
そして漫画家の道を諦めた。