「か、かなた…」

「いいから、来い!一位逃しちまうだろーが!」

その言葉で、今は借り物競争だったんだと理解した。

次の瞬間、思いっきり夏向に手を引っ張られ私と夏向は走り出した。

「おーと、一位は影山夏向!!!借りてきた人は、二宮ちなだ!」

という、アナウンスを聞きながら私と夏向はゴールテープを切った。

「やったな、ちな!」

「だね!」

『いぇーーい!!』

パチンっ!!!

夏向と二人でハイタッチをした。

あっ、今…夏向と普通に話せてる。いつもの通り笑顔で話せてる。