「すごい人だかりだねーちな」

「そーだね」

昨日、転校してきたばかりだというのに、女子の情報網は恐ろしい。すでに、全校生徒に翔とけんちゃんの話が出回っている状態だった。

そのお陰で、朝から3-2に人が集まり私達は教室に入れないでいた。

「てめーら、邪魔だっつーの!!」

そんな声と共に夏向が現れた。

「何、人のクラスにたかってんだよ!ほら、どけどけ!」

夏向の言葉で、だんだんと人が減っていく。無事に教室に入れた時は、いつもより10分遅い時間だった。