side 蓮

俺の名前は、橘 蓮(たちばな れん)橘財閥の御曹司でそんなことにうんざりしてる。
御曹司だから媚びを売るやつばかりだ。
高校１年生になった俺は、親のススメにより桜花学園に入学することになった。

桜花学園とは、お金持ちや成績優秀者が集まるところで有名だ。
そして、その桜はどこよりも見事に咲くと聞く。むしゃくしゃした気持ちを抑えたくて俺は桜を見に行った……

行ったはずなんだが……

スヤスヤと気持ち良さそうに寝ている女がいる。俺は女が嫌いだ。でも、この女は不思議と嫌な感じがしない。なぜなんだろう……

この女は、メガネを着けたまま黒い艶のあるミディアムくらいの髪をおろし、思わず触れたくなるようなツルツルの肌にピンク色の潤った唇。どこか、品のある女だった。

「おーい！蓮！どこだー？」
と小さい頃からの友達、清水 翔(しみず しょう)に呼ばれ、そそくさとその場から離れた。