(信じられない……)

自分の部屋に篤典さんがいるなんて未だに信じられなくて、横目で篤典さんの姿をチラ見してしまう。

私から1メートルほどの距離をあけて胡坐座になり、巷で人気の豆腐型キャラクターのクッションをぐにっと引っ張って弄ぶ篤典さんの可愛らしさといったら、もう!!

(ラフな格好も、またイイ……)

スーツもかっこよくて素敵だけれど、ラフなTシャツ姿も良いんだなこれが……。

なんて、呑気に見とれている場合ではない!!

篤典さんは本当にこのまま私の部屋で一夜を過ごすつもりなのだろうか。

こんなことなら着古したパジャマではなく、この間買ったばかりの新品を下しておけばよかった。

「もっとそっちに行ってもいいかな?」

「……はい」

キャラクターのクッションに飽きたのか、おんぼろパジャマの私にもついにお呼びがかかった。

篤典さんが四つん這いになってそそくさと隣に近寄ってきかと思うと、背後から思い切りぎゅうっと抱きしめられた。

……接近する許可を求めた割には一切の遠慮がないではないか。