不埒な専務はおねだーりん


お見舞いとして宇田川城のショッピングモールで買った上等なメロンを携え病室を覗き込むと、案の定お兄ちゃんはグータラと惰眠を貪っていた。

「遼平、具合はどうだい?」

「あ?別に、普通……」

突然の上司の訪問にも関わらず、お兄ちゃんは落ち着き払ってベッドにふんぞり返っていた。

「よう、かずさ。スーツ姿もなかなか様になってんじゃねーか」

「お兄ちゃん……」

長い付き合いなのはわかるけど、もっとちゃんとしてくれないと妹として恥ずかしいよ……。

パジャマはしわくちゃで胸元がはだけ、髪の毛は寝ぐせだらけで、とても人様に会えるような状態ではない。

っていうか、超寝起きでしょう?

「っつーか、なにその髪型?伊達眼鏡?お前、視力は2.0だろ。似合ってねーよ」

普段とは異なる装いに思い切り眉をしかめ始めたお兄ちゃんに、条件反射のように反論する。

「ポニーテールで眼鏡の女性がいた方が仕事の効率が良くなるって、専務が……」

「んなわけねーだろ、このボケ。嘘に決まってんだろ。騙されやすぎ」

「嘘!?」

思わず篤典さんを振り返ると、ばつの悪そうな顔で謝り始めるのであった。