「ごめんごめん!そんな警戒しないで~!勝手にカーテン開けちゃってごめんね?」





私の想像とは裏腹に、彼女はフレンドリーな性格で、ハハッと笑っていた。






「あなたもこの病室に?」






「うん。」






「そっか。……あ!ねぇねぇ、名前聞いてもいい?」





「あ、うん。名前は森中南。」






「南ちゃん?よろしくね!私は藤原亜紀!こっちのノッポは谷岡潤。」




「よろしく。」




「よ、よろしく。」





「で!知ってると思うけど、コイツは浜浦大吾。」





テンションが高い南ちゃんは続けて私に問う。






「南ちゃんって、ズバリ今何歳?」





「17歳。」





「うっそぉ!私たちと同い年だぁ!」





「え!?そうなのか?」





アイツが驚いたように私を見る。




どーせチビですよ……。





「言わなかったっけ。」





「だって口聞いてくんなかっただろ?」





「あんたがキレるからでしょ。」





「それは!」





幼稚な喧嘩をしてる私達を見て、亜紀ちゃんはどわっと笑った。





「アハハっ!ウケる南ちゃん!」





「そ、そう?」





ウケるって何だろう……?






「あ!そう言えば南ちゃんってどこ校?」





亜紀ちゃんの純粋な質問に、私は胸がチクリと痛む。





「……学校は言ってないんだ。」





「え……?」





その場の3人の視線が私に刺さる。





「私、病気のせいで小さい頃からの病院にいるんだ……だから学校は行ってない。」





亜紀ちゃんの顔がズーンと暗くなるのが分かった。





「……そうなんだ……。……ごめんね、嫌なこと聞いちゃって……」





「あ、気にしないで!もう慣れてるから!」





私が言うと、亜紀ちゃんはいきなり手を握ってきた。





「え、亜紀ちゃ」





「じゃあさ、病気治そ。私、なんでも相談に乗るから。だから、病室治して一緒に学校行こ。」






「え?」





「出会って初めての私が言うのもなんだけど……、頑張って病気治して一緒の学校行こ!」






「亜紀ちゃん……。」






亜紀ちゃんは照れくさそうにいひっ、と笑った。





それから私達はたくさん話をした。





気がつくともう6時で、亜紀ちゃんと潤くんは慌てて帰っていった。





「じゃあね!」




「またな!二人とも早く治せよー!」



「うん!」



「任せとけ!」





今日を日記にまとめるとしたら、友達が2人も出来たこと。




ずっと病室で一人ぼっちの私にとって、それはとても嬉しい出来事だった。