私の心臓を移植したキミへ。

アイツが布団に潜り込んで数十分、病室のドアがコンコンとなった。





「失礼します」






聞いたことない声……。





誰だろう?と思っていると、入ってきたのは1人の女の子と1人の男の子。




2人は「大吾」と呼んでいるから、きっとアイツの見舞いだな。





「大吾、体の調子は大丈夫?」





「あぁ!バッチリだ!!」





……寝ていたハズのアイツはいつの間にか起きていた。





「もう~!心配させないでよね!ホンットにビックリしたんだからぁ!」





泣きなそうな声で叫ぶ彼女は、白いカーテンから見える限り、すらっと背が高くて、顔立ちが整っている美人さん。






「そうだぞ!たくっ。」





そんな彼女とは裏腹に、のんびりとした口調の男の子は、彼女同様、顔立ちが整っていて筋肉質な腕がワイシャツの上からでもわかる。





「ごめんって!でさ!県体、どうだった!?」




私は本を読みながらも、三人の会話に耳を傾けていると、突然沈黙が流れた





「……ダメ……だった?」





「うん、やっぱり……大吾がいないとダメだった。」





「でも、みんなも頑張ったんだ。ただ、相手が強かっただけなんだ……」





「……ごめん。俺のせいで……俺が病気になんてならなければ……」



再びの沈黙を、女の子が打ち切った。




「大吾のせいじゃないよ。……それより!」






「なんだ?亜紀」





「病室なんてさっさと治して、今度こそうちが優勝よ!」





「そーだぞ大吾!さっすがうちの鬼マネージャーだな!」




「鬼は余計!」





「ハハッ!……ありがと。2人とも。」




夕の光が差す病室で、3人は和気あいあいな会話を繰り返していた。





「そう言えば大吾、こっちのカーテンの向こうにいることこの病室にいるの?二人で」




そんな時、私の話題が出てきた。





「あ?あぁ……まぁな」





「ふーん」





するといきなり、閉めてあったカーテンがシャーっと開けられた。





「な、何!?」





「ねぇ、あなたもこの病室に?」





「そ、そうだけど?」





私があきら様に警戒の目を向けると、彼女はふっ、と笑った。