「さっきはありがとうございました、あのままだったら流されていました。」と古瀬は握った手に力を入れる。

「いいって。」

「それとこれ。」と手を離し横に置いてあったビジネスバックこらかわいい紙袋を渡した。

「これは?」

「開けて見て。」

ガサゴソ

「ハンカチ?」

「そう、あの日の夜から借りっぱなしだから。」

「何のことかな?誰かと間違ってない?」と驚きを隠して平然を装う。

古瀬は横に首を振って「このハンカチと同じ物を健人の家のリビングの壁に額に入って飾ってありました。」