ベランダに吊るされた風鈴の音で、 なんとか暑さをしのぎながら瞼を閉じる。 ──ピコン。 けれど不意にスマホの通知が鳴って、 私の意識は早くも現実世界へと連れ戻された。 暗闇に慣れた目を擦りながら、 届いたメッセージを確認する。 ──夏の終わりに訪れた、奇跡だと思った。