ソファーから身を起こしたときには、辺りは真っ暗闇に包まれていて。
一瞬、自分の目がもう使い物にならなくなってしまったのかと思った。


薄っすらと見える影を頼りに、階段を上がって自分の部屋に向かって歩いていく。


手探りしながらゆっくりと一歩を進める自分が不甲斐無くて、一人ぼっちの暗闇が怖いって感じていた。



それでもまだ、体に残る光来の甘く爽やかな匂いを纏っている間は胸に仄かな温もりを感じていられる気がする。



俺もたいがい女々しい……。


最初から決めてたことなのに、今になってどうしようもないくらい後悔ばかりしてる。



光来に触れれば満たされるはずの想いは行き場も無く膨れ上がり、求めて焦がれる一方だった。