「……キミは、見えない僕のただ一つの光」


「えっ?」



「生きる希望の光だった」


「優羽?」



いろんなモノを諦めていく中で最後まで諦め切れなかったモノ。



それが光来だ。



ブツブツと一人ごちていた俺を怪訝そうに見下ろす彼女に、



「うん。今アイツが一番大事だから」


自嘲して答えれば、



「わかった。キャプテンには保留って伝えとく」



呆れたようにため息をつきながら踵を返し、教室から出て行ってしまった。



また静けさの戻ってきた教室の窓に視線を戻す。



グラウンド一杯に走り回ってるであろうチームメートの姿すら、もう今の俺には識別出来なかった。