「こうやってさ、無くなったモノは……いつの間にか忘れられるていくんだな」
ぽつりと呟いたと同時に、すぐ傍にあった光来の肩にギュッと頭を埋めた。
光来と過ごしたたくさんの時間も、俺が居なくなったらきっと風化されてやがて消えてしまうだろう。
「ずっと見てきた風景も……見なくなればいつか、忘れるてしまうのかな」
「なくならないよ絶対。優羽が忘れたってわたしが覚えてるっ」
弱気になった俺の言葉を遮るように耳元で言い放たれた言葉で、思わず肩口から光来の顔を見上げた。
「例え目の前から無くなったって思い出まで無くならないもん」
目の前の光来はじっと俺を見つめて離さない。