「指輪?」
「うん。これ、昔優羽の家にあったクリスマスツリーのお星さまと同じ色でしょ?」
アクセサリーショップの店先で足を止めた光来の手には青白く光るシルバーの指輪が乗っていた。
光来が差し出したそれを受け取り、
「ホントだ。光来が本物の星だって思い込んでたヤツだね」
「優羽だって信じてた癖に……」
指先でいじくっていた俺に少しむくれた光来が唇を尖らせた。
あの頃。
この青白い輝きが珍しくて本物だって二人とも信じて疑わなかった。
お星様を受け取った光来の嬉しそうな笑顔は今だって忘れられない。
光来はあの時の約束……覚えてくれているだろうか。
光来。大きくなったら俺と結婚しようね?
今の俺は明日の自分がどうなっているかさえ分からない。
あの時なんの躊躇いもなくこの言葉が言えたことがまるで嘘みたいだ……。