「優羽が真面目なこと言ってるからビックリしてたの」


まじまじと俺の顔を見つめる光来にくすりと小さく笑い声を零した。




涙の残る瞳で俺を見上げる顔が愛おしくて、


「何言ってるの。俺はいつだって真面目だよ」


ギュッと取った手だけでは満足出来ず、光来の華奢な体を軽く抱き寄せてしまう。



付き合ってきた女の子たちをこんな風に抱き寄せたことなんて無かった。



肌を重ねて尚、愛おしいなんて気持ちは偽りでも起こらず、


「エッチの後くらい抱きしめてよ!」


なんて言ってきたのを一人残して帰ったことすらある。



でも光来は違う。



例え見えなくなっても温もりは忘れたくないって、光来を抱きしめる俺の全身が訴えていた。