「また優羽がフッたの?」
カフェオレのカップを手に持ちながら尋ねるわたしに、優羽はイタズラっぽく笑って頷く。
「来る者は拒まず、去る者は追わないのが俺のモットー」
「……だから続かないんでしょ」
「嫌々付き合ってても仕方ないじゃん」
確かにそうかもしれないけど……。
それで優羽がプレイボーイなんて言われるのは、優羽を知る幼なじみとしては納得いかない。
幼なじみだから……なんて言い訳がましい。
優羽がプレイボーイなんて言われるのは、優羽に惚れてる人間として嫌……なんだ。
優羽は決して自分から誰かを好きになって、自らアプローチすることは無かった。
優羽に好意を寄せる女の子ととりあえず付き合ってみて、
やっぱり好きにならないから別れる。
ずっとこの繰り返しだ。
その繰り返しの一部になるくらいなら、わたしはずっと幼なじみでいることを選ぶ。
幼なじみとして。
他の誰かに触れる優羽を見つめ続けている方が……まだ良いから。