次の日。
俺は部活を休んで、久しぶりに光来をクリスマス一色の街に誘い出していた。
どんな女の子と付き合ってたって部活を休んだりサボったりしたことなんてなかった。
ただ。
定期的に光来をこうしてカフェに呼び出して、近況報告って託けて一緒の時間を過ごす以外は……。
学校帰りのカフェでカフェオレとカプチーノを挟みながら、テーブルにうなだれる俺が決まって告げるのは付き合って別れての報告。
平均一ヶ月ペースで変わる俺のサイクルに、いつしか呆れた顔しか見せなくなった光来が大きなため息を漏らすのがお決まりのやりとりになっていた。
「また優羽がフッたの?」
カフェオレのカップを手に持ちながら尋ねる光来に、俺はにっと笑って頷く。
「来る者は拒まず、去る者は追わないのが俺のモットー」
「……だから続かないんでしょ」
「嫌々付き合ってても仕方ないじゃん」
だって俺には光来以外なんてどうだっていいんだから。
いくら女の子と付き合ったって俺が本気でないことを光来に知ってて欲しい。
その気持ちだけで続けてきたこの時間も今日で終わりにしよう。