いつもより早めのおやすみを告げ、俺は薄暗い部屋に戻っていった。


電気をつける気はしない。

しないんじゃなくて出来なかったんだ。



自分の頭の中に見たことも無いような悪いモノが居る感覚に実感が沸かない。



沸かない癖に、失明の恐怖心だけはしっかりと体の中で膨らんでいく。



十八までの三年間。
俺はずっと、この失明の恐怖心と過ごさなくちゃいけないのか……。




やるせない気持ちで胸が詰まって、泣きたくもないのに瞳から涙が溢れ出した。



失明の恐怖だけじゃない。

明日から始まる高校生活の幕開けに合わせて、ずっと考えて温めていたことがある。



壁に掛かった真新しい制服が目の端に滲んだ涙でぼやけた。



これを着たらすぐにでも言おうと思ってたことがある。



これからまた三年間過ごせる幼なじみに、ずっと好きだったっていう気持ちを……。