あちらこちらの店という店が、クリスマス仕様に飾り立てられている。



学校帰りのカフェでカフェオレとカプチーノを挟みながら、うなだれる優羽を見るのはこれで何回目だろう……。




「今回はどのくらいだったの?」



テーブルにうなだれる優羽に何度となくしてきた質問。



わたしの声を聞いた優羽は、テーブルに気だるそうに上半身を横たえ、



綺麗な二重が台無しの半開きの瞳を正面のわたしに向けた。



そのままゆっくり、長い人差し指と中指を突き立てる。




つまりは2って数字で、わたしの質問に答えてるってわけだ。



「あぁ。二ヶ月ね」


優羽にしては長い方じゃない。



なんて付け加えたわたしに、優羽は首を二~三度振って否定してみせた。



「違う……二週間」


「……はぁ」



間延びした力無い声で言い直した優羽に、わたしはわざとらしい大きなため息を零す。



わたしの幼なじみは今や学年ナンバーワン人気を誇るサッカー部のエースで、



付き合う女の子が平均一ヶ月周期で変わるというプレイボーイ野郎へと変貌を遂げていた。