「優羽は……シワシワのおじいちゃんになるまで……ずっとわたしと一緒に居るのっ」



小さい頃に交わした聖夜の約束。



ただ光来とずっと一緒に居たいって気持ちのままに交わした約束だ。



「シワシワのおばあちゃんになって、優羽がわたしのバージン無理矢理奪ったんだって……孫と一緒に笑ってやるんだから」



あの時、俺が渡したツリーの星に交わした想いは未だに色褪せず俺たちの中に在る。



おじいちゃんとおばあちゃんになるまでずっと一緒に居るって……。



「だから優羽が生きててくれなきゃ……わたし一生結婚出来ないよ?」



優羽が結婚しようねって言ったあの頃から、わたしたちは婚約中なんだから。




付け加えた光来の言葉で、すっかり赤く腫れてしまったまぶたに口付ける。



そして、



「……じゃあ、新しい約束」



光来の右手を取って青白く光る薬指の指輪にキスと、



「帰ってきたら俺と付き合ってください。光来が好きだから」



必ず光来の元に帰って来るって約束を託した。





"光来の為に自分を大切にしろ……未来を諦めたりするな”



そう言った兄貴の言葉と笑顔が、不意に頭の浮かんだ気がした。