わたしは父と母、おばあちゃんを心から愛している。おじいちゃんはわたしが小さい頃にわたしをかばい亡くなった。わたしは目の前に血だらけで横たわるおじいちゃんをみると、そのまま意識を失ってしまっていた。目を覚ますと、母が枕元にたち、なにかをぶつぶついっている。目が合った。わたしはたちまち寝た振りをした。その瞬間、なにかが首に巻き付き、ぎゅっと締め付けた。はっと目を開けると、母が鬼の形相でわたしの首を締めていた。苦しい、やめて、助けて。そう叫びたかったが、子供心に、それはダメだと思った。わたしが悪いのだ。このまま死ぬことが母への償いなのだ、と。あの日を振り返ると、あのままおばあちゃんが部屋に来なかったら本当に母は、わたしを殺していたのかと思うと、母が娘を殺した殺人犯にならなくてよかったと心から思う。