こんな様子、最近は見なかった。



前みたいに、辛い気持ちが大きいなら尚更離れることなんてできるはずがない。



それに、美空がさっきの文面を見たら1人で抱え込んでしまいそうだった。



きっと、美空はまだ1人でこんな大きなことに対し判断ができない。



美空は自分を追い詰めてしまうんじゃないか。



やっと、前を向いて生きていけるようになるまでの力や、精神的な余裕も少しづつ出てきたというのに。



ここで、美空自身が崩れていってしまうのではないか。



そう考えると怖くてたまらなかった。




「中森先生…。」



「ん?」



「本当は、中森先生が隣にいてくれるとすごく安心する。」



「相変わらず、美空はかわいいな…。



本当…。


ずっとそばにいるよ。



美空が安心できるように、いつでも傍にいるから。」






「そしたら私、ずっと安心できるね。」




そういって美空は笑いかけた。



この笑顔だけは、一生かけて守るからな。



美空を抱きながら背中を優しくたたいていると、規則正しい呼吸が聞こえ美空の顔を覗き込むと、穏やかに眠る美空の表情がみられた。



今度こそ、美空のことを起こさないようにベッドへ寝かせ、美空の隣へ入った。




「おやすみ、美空。」



美空の髪を整えるように撫で、目を閉じていた。