……ピピ…ピピピ…ピピピピ…

枕元のスマホが雄叫びをあげる

スマホの画面を見る。7時。

ああ、もう起きる時間か…

1日が始まる。無情で非情な一日が。

私を叩き起こしたスマホを呪いつつ、憂鬱な気分で起き上がる。

体が鉛を流し込まれたように重い。

昨夜、私を襲った『金縛り』の余韻が、体中に残っているのだ。

ノロノロとした動作で布団から這い出し、学校の制服を着て鏡を見る。

…誰だ、これ?ひどい顔の人がいる。

そのひどい顔の人は、右手をあげ、頬っぺたをさする。

気付けば、私の左手が頬っぺたに延びている

何だ、よく見ると、私の顔だ。

階段を降り、階下に降りる。

お味噌汁の、いい匂いがする。