どんとこい背後霊

はッ!

レイカ…?

違うッ!レイカじゃない!

底無し沼のような深い、不気味な両眼

ニタアッと笑みを浮かべている

「ヒヒヒヒ…」身の毛もよだつような声で笑い声を上げている

…悪霊!

足軽の、禍々しき悪霊!

憑依…レイカに憑依したんだ!

危ない!

咄嗟にレイカの、いや、悪霊の体を突き放し、間合いを取って構える

ゴオオオオッ…地響きのような音を立て、どす黒い霧が吹き上がる

巻き込まれそうになる!

『ムスメ…コムスメ…』

頭のなかに、低い声が響く

『コムスメ…コンドハ…オマエニイイ、ツイテヤルウウ…』